テレワークを導入する上での課題とは…生産性は本当に向上する?

テレワークを導入する上での課題とは…生産性は本当に向上する?

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目次

長時間労働の改善については、多くの企業において緊急性の高い課題だと思います。
そのなかで、解決策のひとつとして議論されているのが在宅ワークに代表される「テレワーク」になります。テレワークを導入することで、業務生産性を向上させ、長時間労働を削減できると考える企業経営者の方などは増えてきていますが、実際にそのような効果があるのでしょうか?

今回は、実際にテレワークを実践した経験からの感想を交えて、テレワークによる生産性向上への効果について考えてみたいと思います。

テレワークを実践してみた感想。メリットとデメリットについて。

テレワークを実践してみての感想を私自身の経験から紹介したいと思います。
先ず、テレワークによって生産性が向上するのかについてですが、私の個人的な感想として、生産性は向上すると思います。その最大の理由は「業務効率を優先した仕事場所を選択できる」という点です。

どのようなことなのか、私の実践事例で紹介したいと思います。
テレワークにはいくつかの種類がありますが、私が実践しているものは以下の通りです。

  • 在宅勤務
  • モバイルワーク
  • 施設利用型勤務

もう少し具体的に説明をしますと、いわゆるオフィスや事務所への出勤が義務付けられてなく、自宅がメインオフィスとなる「在宅勤務」となっています。

さらに、業務効率を考えてノートPCとスマホとタブレットを活用する形での「モバイルワーク」を並行して行っています。そして、出先での資料作成やプリントアウトなど事務作業を行うための「スポットオフィス」が各所に設けられていて、クライアントへのアクセスや状況に応じて「施設利用型勤務」を行っています。分かりやすくするために1日の行動パターンを説明します。

  • 8時:自宅にて前日の売上状況などをPCにてチェック。本社から送られる資料などを準備。
  • 9時:クライアントへ訪問をして、簡単な打ち合わせを行う。
  • 10時~11時:近くのマクドナルドなどでノートPCを活用したメール送信と事務作業の実施。
  • 12時:別のクライアントへの訪問と商談の実施。
  • 14時:出先に設置されている簡易オフィスで、経費処理や資料のプリントアウトを実施。
  • 16時:最後のクライアントへの訪問と商談の実施。
  • 17時:帰宅し、終業。

このような形で、毎日決まった時間に決まったオフィスの決められた席にて仕事を行う、ということではなく、場所や時間を選ばずに、そのときどきで最適な場所で仕事をすることがテレワークのひとつの特徴になります。

テレワークを実践で感じる課題とは?

このように在宅勤務を軸とした、いくつかのテレワークを実践していますが、そのなかで感じる課題を紹介します。

課題1:業務管理が難しい

テレワーク導入において、企業側がもっとも懸念することが、どのように業務管理を行うのかということになります。実際に自分自身でやってみると、働く側としても難しいことに気が付きます。

オフィス勤務であれば、1日のスケジュールに関する時間管理は、職場全体が共有していることが前提となります。

9時~18時が勤務時間とされる職場であれば、9時に始業、12時に昼休み、15時に休憩、18時に終業という共通のタイムスケジュールで業務が進行していきます。このような職場全体での時間管理がテレワークには存在しません。

全てが「自己管理」ということになるので、自分のペースでメリハリとつけて集中した業務進行が行えるというメリットがある反面、自己管理が苦手なタイプの人にとっては、かえって業務進行などに支障がでるケースがあります。また、業務進捗に対して周りからのアラートがないので、遅れた状況に気が付かないことや、甘えが出て業務を行わないというリスクも存在します。

課題2:社内コミュニケーションが難しい

これも業務管理と同様にテレワーク導入に対しての懸念事項とされるものですが、実際にテレワークを実践してみて、その課題を実感しています。テレワークにおける社内コミュニケーションは電話やテレビ電話もしくはメールによる1対1のコミュニケーションがメインとなります。

そして、その内容としては業務報告がほとんどです。
つまり、上司に対しての業務連絡と結果報告をメールで行い、足りないときに電話での会話で補うというのが社内コミュニケーションとなってしまいます。

ポジティブにとらえると、無駄な会話がなく、必要最低限のやりとりのみを行うので業務効率という点では理想的です。

ただ反面、相談などがしづらいということと、本質的な課題や問題点を共有することや、業務における気づきを得るといったことがほとんどありません。これは、言いにくいことを相談ができる人間関係や、新しい観点での気づきといったものが、一見無駄に見えるような会話などの直接的なコミュニケーションの積み重ねのなかで築かれるものだからです。

効率ばかりを重視しすぎると、時間や手間をかけることでしか得られないメリットを失っていることを理解しなければいけません。

テレワークを導入すると本当に生産性が向上するのか?

冒頭でも述べたように、私自身はテレワークを行うことで生産性が向上したと感じています。
周りの環境に左右されず、業務進行に最適な場所と時間帯に自分のペースで仕事ができるテレワークは、業務の生産性を向上させる効果があると思うからです。

オフィス勤務では周りのメンバーと同じ場所・時間を共有することで業務を進めていきます。
その点については、業務管理やコミュニケーションにおいてメリットがありますが、商談業務などオフィスに地理的なメリットがないケースや、会議が多すぎたり、無駄な私語が増えたりと社内コミュニケーションがかえって業務進行の妨げになるケースを考えると、テレワーク導入は生産性向上に一定の効果があると言えます。

さらに、テレワークによる業務の効率化で得られた時間はプライベートの活動にあてることが可能となるので、ワークライフバランスの最適化という観点でもメリットがあり、結果として業務に対するモチベーションアップや質の向上という副次的効果も期待できます。業務に要する時間的コストを短縮し、より質の高い業務が実行されて、高い成果を得ることができれば生産性は向上したと言えるでしょう。

ただしこれはテレワークを実践するだけの自己管理がしっかりされていることが前提となるので、自己管理ができないような場合には、生産性が低下するリスクもあることを認識しておかなければいけません。

生産性を向上させるテレワークの実践方法を考える

今回は自分自身が実践をするテレワークを通じて、そのメリットやデメリットを生産性の向上という観点から考えてきました。テレワークを実践することで生産性の向上を実現するための一番のポイントは「自己管理の徹底」となります。

そして、テレワークの中でもうひとつ課題となる「所属組織との連携」については、こまめな報連相を自分から発信して補完していくことが重要となります。

個人事業ではない限り、いかに在宅勤務やモバイルワークなどのテレワークを実践していたとしても所属組織の一員として、組織の目標や業務進行を理解し、他のメンバーとのコミュニケーションを活用して、目標に向かって業務を進めなければいけません。

そのための業務管理は自己責任のなかで計画を立て、実行をし、進捗状況や結果の報告だけでなく、課題や問題点の連絡・相談を上司や他のメンバーに欠かさないことが、テレワークの導入で生産性を向上させるポイントになります。

そして、個人でやるべきことと、組織でやるべきことの区別を明確にし、臨機応変に対処方法を選択できることが最も重要だと考えています。

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