RPAの導入は失敗だった!?
失敗談から問題点を学び成功のヒントを得よう!

RPAの導入は失敗だった!?
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目次
2016年を境に、「RPA」の企業導入がどんどん進んでいます。
RPAは上手く導入に成功すれば、作業工程自動化に限らず、さまざまなメリットを企業にもたらしてくれます。

ただし導入に失敗すればコストだけがかさみ、目も当てられないような状況を作り出しかねません。
実際、RPAの導入が各企業で進むにつれ、失敗談もよく目にするようになりました。

RPAを上手く運用するには、失敗談からRPAの問題点、そして運用成功のコツを知ることが有効です。今回はRPAを既に導入している企業様に向けて、RPA導入の失敗談、そしてそこから得られるRPA運用の成功のコツなどをご紹介していきます。導入検討中の企業様も失敗しないための事前対策として役立つと思いますので、参考にしてみてください。

RPAの導入失敗談をご紹介

ここからは、実際にどのような失敗談があったのかをご紹介していきます。

  • 導入すべき業務を間違えた…。
  • RPAに頼りすぎるあまり、リスク回避に失敗した…。
  • 現場を巻き込んで業務改革ができなかった…。

導入すべき業務を間違えた…。

RPAを導入する際、よく聞く失敗談として、導入すべき業務を間違えたというのがあります。

RPAはロボットにより作業工程を自動化して大幅な業務効率化を図れる便利なツールですが、万能というわけではなく、適用できない工程も現在数多く存在するのが問題点です。しかし中には「RPA=万能」だと勘違いして、合わない業務に無理やりRPAを導入して運用しようとする企業もあります。

例えば、長い業務にはRPAが合わない可能性があります。
長い業務には複雑な工程が絡み、必要なデータなども短い業務より多くなります。結果的にすべてをRPAでは賄いきれず、イレギュラーなパターンが起こってRPAが稼働停止する危険性もあります。

また全体の作業量が少ない業務にも、RPAは向いていません。RPAを導入できたとしても運用で得られるメリットが少なく、かえってメンテナンスの手間などが増え、コストがかさんでしまうからです。

こういった合わない業務を無理やりRPAに連携しようとした結果、逆に問題点が増え、運用に失敗してしまう企業がたくさんいます。

RPAに頼り過ぎるあまり、リスク回避に失敗した…。

RPAは大変便利なツールですが、頼りすぎるとかえって問題点が増えていきトラブルの元になります。

例えば、RPAに書類のデジタル化やメール送信など、さまざまな業務を任せているとします。RPAにこういった定型的な作業を任せる分には、まったく問題ありません。

ただしRPAはあくまでプログラムなので、ふとした拍子に稼働がストップしてしまう可能性もあります。

RPAの稼働がストップした場合、RPAに任せていた定型業務はすべて停滞してしまいます。そしてトラブルに対して特別な対策を行ってこなかった結果、急きょ複数のスタッフに業務を代行してもらわなければならないなどの大きなトラブルに発展してしまうケースがあります。

またRPAは誰にでもロボットが作成できるのも魅力ですが、管理体制を特に決めていない企業もあります。

管理体制を決めていないということは、各個人が勝手にロボットを作成してしまう可能性があります。そして作成した社員が異動や退社などでいなくなると、誰にも使いこなせない野良ロボットだけが残り、誤作動などの大きなトラブルを発生させる場合があります。現在、野良ロボットは大きな問題となっており、各企業が対策に追われています。

このようにRPAに頼りすぎるあまり、ルール策定を怠っていると、後々RPAが大きな問題を引き起こしてしまう危険性があります。

現場を巻き込んで業務改革ができなかった…。

現場を巻き込めなかった結果、RPAによる業務改革が失敗した…というのもよく耳にするケースです。

経営陣がRPAをしっかりした体制で導入せず、意義を上手く説明できず、現場を巻き込めないパターンの一つです。

経営陣はRPAのメリットなどを検討し、導入を決定して運用が開始されました。しかし現場にしっかりと説明せずに導入した場合、現場は手探りで活用方法などを見出さなくてはいけません。そして経営陣から見た導入意義は現場に伝わりにくく、現場のモチベーションは下がってしまいます。

またIT部門が現場と連携できないケースも、失敗談として挙げられます。

例えば、IT部門がロボットを作成して現場に配布する場合、現場にとって操作が難しいロボットになっている可能性もあります。また単にヒアリングをして作成を行うだけでは、そもそもRPAが何なのかつかめていない現場から有益な情報を取得できず、結局現場で使えないRPAができてしまう可能性もあります。

このように現場も主体となってRPA活用に取り組める状況ができていないと、RPA運用は失敗してしまいます。

失敗談から学ぶ、RPA運用の成功のコツ

ここからは、失敗談からRPA運用の成功のコツを紐解いていきたいと思います。

  • RPAを導入する業務をしっかり吟味する
  • 管理体制やセキュリティ体制をしっかり策定する
  • 現場も主体になってRPAを運用できる体制を作る

RPAを導入する業務をしっかり吟味する

さきほど説明したとおり、RPAには合わない業務もあるという問題点があります。ですからRPAを導入し、各業務に広めていく際は、RPAの弱点を把握した上で導入する業務をしっかり吟味する必要があります。

  1. 1.単純作業であるか
  2. 2.管理体制をしっかり準備する
  3. 3.その作業は1日に複数回行う必要があり、全体の作業量が多いものであるか

上記の項目に照らし合わせて、RPAが各業務工程と連携できるかしっかり考えましょう。そしてデモを行って、実際に適用したい作業工程にRPAを適用しても問題点が出てこないか、しっかりチェックしていきましょう。

管理体制をしっかり準備する

野良ロボットの発生や作業停滞などを防ぐために、管理体制もしっかり準備しておく必要があります。

現場には、ロボットの作成から破棄まで各工程を管理する担当者を用意しておきます。そしてロボットを各部署でどのように作成して利用すればよいか、マニュアルも準備しましょう。こうすることで、引き継ぎなどの際、ロボットの内容がブラックボックス化したり、変なロボットが勝手に社内で稼働してしまうといった危険性を防げます。

また万が一、ロボットが停止してしまったときに備えて、リカバリー方法や復旧担当者などを予め決めておき、マニュアルも準備しておきましょう。

トラブルが起きた場合、最悪、人の手でも何とかなるように、柔軟な計画を立てるのが重要です。

現場も主体になってRPAを運用できる体制を作る

RPAのロボットを実際に使うのは、経営陣や開発陣ではなく現場の人間です。

ですからRPA運用の際は、現場も主体になってRPAを運用できる体制を作り、弊害をなくす必要があります。

経営陣が各部署にRPAの導入を進める際は、ヒアリングなども行ってどんな課題や問題点が自社にあるのか確認し、従業員が自分事と思えるような目標を設定してモチベーションを上げられるよう工夫する必要があります。

またIT部門がロボットを開発する際は、事前にロボットのデモを現場に見せたりして開発陣と現場との温度差を減らしておく必要性もあります。

まとめ

今回はRPA運用の失敗談を参考にして、RPAに関する問題点や運用成功のコツなどを解説してきました。

導入すべき業務を間違えたり野良ロボットができてしまったりと、RPA運用に関する失敗談はたくさんあります。こういった失敗談を上手く問題点としてすくい取り、RPAの運用に活かせれば、失敗談は有益な情報となります。

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