RPAの導入に足踏みしている中小企業は必見!国内企業のRPA導入率と満足度

RPAの導入に足踏みしている中小企業は必見!国内企業のRPA導入率と満足度

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目次
現在、各企業で話題になっているRPA。
RPAは「ロボット」と呼ばれるプログラムを元に業務工程を自動化して、業務効率化やサービスの質向上などが狙える大変便利なツールです。

「RPAは便利そうだけど、しっかり成果が出るかよく分からなくて導入に足踏みしている」という中小企業様もいらっしゃるのではないでしょうか。確かにRPAの導入に対しては、押さえておくべきさまざまなポイントがあり、導入に失敗してしまっているところもあります。

しかし実際にRPAを導入した企業では、それ以上の成功事例が報告されており、「RPAを導入してよかった」と思っている企業が多く、調査データからも結果が出ています。

今回は、RPAの導入に足踏みしている中小企業様向けに国内企業のRPA導入率や満足度などのデータを紐解いていき、導入に関する懸念を払拭していきたいと思います。

なぜ企業はRPA導入を足踏みするのか?

そもそもなぜ中小企業は、RPA導入を足踏みしてしまうのでしょうか?

それには、

  • RPA運用時のガバナンスがしっかり整備されていない
  • RPA運用に関するリソース不足
  • RPAをどのようにスケールアップして、デジタル改革すればよいか分からない…。

といった理由が考えられます。

そういった課題は、きちんと対応策を知っていれば解決可能です。
詳しいことは、「中小企業は事前にチェック!RPA導入検討前に直面する課題とは?」の記事でご紹介していますので、気になる方はぜひご覧ください。それでは国内の企業がどのくらいRPAを導入しているのかを見ていきましょう。

国内企業のRPA導入率や満足度などから見たRPAの現状

導入時に課題があるRPAですが、現在RPAを導入することで大きな成果を得た大手企業、そして中小企業はたくさんあります。ここからは、株式会社MM総研(マーケティング調査会社)の発表データ「RPA国内利用動向調査(2019年1月調査)」を元に、国内企業のRPA導入率や満足度を確認しRPAの現状を紐解いていきたいと思います。

今回、記事を作成するにあたり、参考にさせていただいた「RPA国内利用動向調査(2019年1月調査)」の記事は、下記のリンクから確認することができます。(引用元では中堅・中小企業の普及率なども解説しています)
※引用元:株式会社MM総研(マーケティング調査会社)「RPA国内利用動向調査(2019年1月調査)」より

調査環境について

今回、見ていくデータは、株式会社MM総研で「国内で年商50億円以上の企業1,112社を対象にWEBアンケート調査を実施」することで収集したと発表しています。また分析対象は「国内で利用されている主なRPA16製品を対象に導入・利用状況や満足度、今後の利用意向など」としています。

RPA導入済・検討中の企業は合計約14%アップ

株式会社MM総研では、2018年6月にも同内容で調査をしており、その際「RPAを導入済」と回答した企業は全体の22%、「検討中」企業は32%、「未導入」は46%となっていました。

※引用:RPA国内利用動向調査(2019年1月調査)「RPAの導入率の変化」のグラフより

それが今回の調査では「RPAを導入済」と回答した企業は全体の32%、「検討中」企業は36%、とそれぞれ前回より導入済は「10%」、検討中は「4%」とアップしました。それに伴い、未導入は31%にダウンしています(計算上の都合上、3つを合計した回答率が99%になっています)。

「導入済」と「検討中」を合計すると「約14%」増えたことになり、約半年程でRPAに関心のある企業が増えています。特に導入済の企業は、前回の回答では企業の約5分の1程度でしたが、今回は約3分の1程となり大幅に割合が増えています。

RPA導入に関する満足度は高く、理由は「業務が楽になったから」などが上位に

「RPA導入済みの企業に対する満足度とその理由」のグラフによると、RPAを導入している企業のうち、約59%が「RPAに満足している」と回答しています。「どちらとも言えない」が次に多く約37%ですが、はっきり「不満」と回答した企業は全体の約4%にとどまり、RPA導入に関する総合的な満足度はかなり高いと言えます。

※引用:RPA国内利用動向調査(2019年1月調査)「RPA導入に対する満足度とその理由」のグラフより

次に、満足している理由として複数の要因が挙げられていますが、

  1. 1位:業務が楽になった
  2. 2位:人手不足対策につながった
  3. 3位:残業等の削減ができた

という声が上位となりました。

全体的に見ると、「残業などの業務削減ができた結果、業務が楽になり社内の負担が減った」ことが予想されます。また「人手不足の会社もRPAで対策ができ、リソースを以前よりも上手く回しやすくなった」ことがうかがえます。

さらに「人件費の削減ができた」、「ミスが減った」、「外部のサポートが手厚い」、「外注費などの削減につながった」なども理由として挙げられ、「RPA導入によりコスト削減や業務質の向上ができる」そして「外部サポートによりRPAは安心して運用ができる」ことなどもデータから読み取ることができます。

RPAは今後利用拡大時代に、AIとの連携が示唆される

「RPAの今後の活用方針」では、今後RPA導入済み企業がどれだけ利用拡大に前向きかが円グラフ化されています。

※引用:RPA国内利用動向調査(2019年1月調査)「RPAの今後の活用方針」のグラフより

それによると約79%もの企業が「利用拡大に前向き」と回答。
「まだ考えていない」は19%で、「利用拡大に後ろ向き」はわずか2%になりました。すでに導入している企業では、ある程度、RPAに関するノウハウが集まり、これからは利用拡大に向けて舵を切っていくことが予想されます。

なおRPA導入済み企業のうち、約80%が「RPAとAIの組み合わせ活用に前向き」であると回答しています。RPAを導入している企業がAIにも興味を示しているのは、同調査で株式会社MM総研が実施した「AIの導入率の変化」からも見て取れます。

※引用:RPA国内利用動向調査(2019年1月調査)「AIの導入率の変化」のグラフより

それによると2018年6月時点でAIを「導入済」とした企業が約26%、「検討中」と答えた企業が約38%、「未導入」と答えた企業が約35%でした(計算の都合上、%が3つ合計で99%になっています)。これが今回調査では「導入済」とした企業が約31%、「検討中」と答えた企業が約42%、「未導入」と答えた企業が約27%でした。

こちらも半年程で「導入済」と「検討中」がそれぞれ「5%」と「4%」、合計して「約9%」増えており、RPAほどではありませんが、AIは検討以上の段階にある企業が増えているのが分かります。

このようにRPA×AIによる「IPA(Intelligence Process Automation)」を検討している企業は今後も増えていきそうで、RPAとAIをどう組み合わせて上手く活用できるかが、今後、企業成長のカギを握りそうです。

まとめ

今回はRPA導入に足踏みしている中小企業向けに、国内企業のRPA導入率や満足度などを解説してきました。
全体の傾向からRPA導入率自体も挙がっており、また導入企業自体も満足に感じている場合が多いのがよくお分かりいただけたと思います。今後はRPAとAIなどの組み合わせによる発展期になる可能性もあり、まだ導入していない企業は、乗り遅れないよう今のうちに導入を検討しておく必要がありそうです。

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