WinActorって使えない?RPA導入前に知っておくべきWinActorのホントのところ

WinActorって使えない?RPA導入前に知っておくべきWinActorのホントのところ

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社内の業務を自動処理することで、業務効率化や生産性の向上などにつながる「RPA(Robotics Process Automation)」。上手に活用すれば煩雑な事務処理を簡略化して、生産性の高い業務に社内リソースを割り振れる理想的な環境を構築できます。

ただしRPAにあまり詳しくない方は、「WinActorを導入しても、本当に業務効率化などが実現するのか?」と思われるかもしれません。確かに、WinActor含めRPAを導入した企業の100%が業務効率化に成功したわけではなく、運用においてさまざまな問題が発生し、成果が出なかった企業もあります。しかし、こういった失敗事例にあたる企業はRPAの使い方を間違えているだけで、きちんと導入時にポイントを踏まえていれば、確実にRPA導入の成果が出てきます。

そこで今回は、RPAの代表サービスであるWinActorを絡めながら、RPA導入前にどんな点を押さえておけば導入の失敗を防げるかを解説。「RPAを導入する際、失敗なく業務効率化などの成果を出したい」という企業担当者の方は、ぜひご覧ください。

WinActorの現状について

まずは、WinActorの現状についてご紹介します。WinActorは「NTTグループ」が研究の末に開発したRPAです。「シナリオ」と呼ばれる単位で自動処理化用のプログラムを管理することで、さまざまな業務処理を自動化できます。

また、ユーザーがデスクトップで行ったコピー&ペーストやデータ入力などのアプリケーション上の操作を記録し、自動でシナリオファイル化する機能も搭載されています。ですから、初心者でも時間をかけずに簡単にRPAによる自動処理プログラムを作成できます。

さらに編集機能も充実していて、記録したシナリオファイルを元に処理を追加したり余計な処理を削除したりして、汎用性の高いシナリオファイル作成が可能です。

WinActorは、NTTグループという大手が開発しているという高い信頼性と利便性の高さから、製造業などを中心にたくさんの企業が導入しており、導入企業は3000社を突破しています。このように、たくさんあるRPAサービスの中でもWinActorは群を抜いて人気があり、RPAシェアナンバーワンの座を維持しています。

WinActorをはじめ、RPAを導入する上での注意点3つ

WinActorは、前述の通りシェアナンバーワンを誇り、多くの企業が導入しているポテンシャルの高いシステムです。
しかし次の3点に注意しないと、業務効率化を達成するのは難しいでしょう。

今から解説する注意点は、RPA全体に関わる注意点です。「自社ではWinActor導入を検討しておらず、他RPA導入を検討している」という企業担当者の方も、ぜひ目を通してください。

  1. 1.コア業務などのオリジナリティーが高い作業には向いていない
  2. 2.社内で摩擦が起きる可能性がある
  3. 3.汎用性の高いプログラミングを行わないと使いにくくなる

1.コア業務などのオリジナリティーが高い作業には向いていない

RPA導入の際、「RPA=自社の業務を全自動化してくれるシステム」という誤解を持たれている方が多くいらっしゃいます。確かにRPAを導入すれば、さまざまな事務処理を効率化できます。しかし、RPAにも向いている仕事と向いていない仕事があります。

特に、自社のコア業務をRPAで自動化するのはおすすめしません。コア業務は各企業でプロセスが異なっており、単純作業化できない工程が多く発生します。RPAは、オリジナリティーの高い業務の自動化には向いていません。

しかもRPAは、365日24時間いつでもどこでも働いてくれますが、システムダウンやメンテナンスなどにより処理ができないタイミングもあります。そのタイミングがコア業務の納期直前だったりすると、コア業務の処理が止まるだけでなく、人海戦術で急いで業務を行わなければなりません。

RPAが起動できない時の対応も考えると、コア業務をRPAで自動化するのは危険な行為です。

他にもウェブデザインなど、クリエイティブな作業の自動化にもRPAは向いていません。デザイン業務などを行っている企業でRPAを検討する際は、デザイン以外の事務関係の作業を自動化して業務効率化ができるかを、しっかり考えましょう。このようにRPAは、社内の全処理を自動化するシステムではなく、あくまでコア業務に社内リソースを専念させるために、自社で発生する単純作業を自動化するツールだととらえるのが正解です。

2.社内で摩擦が起きる可能性がある

RPAを導入すれば、社内業務が効率化され、生産性が向上するでしょう。ただし生産性のことばかり考えて、社内環境が悪化すれば意味がありません。例えば、RPAで浮いた分の時間以上に負荷の高い仕事を社員にさせた場合、「RPA導入前の方が働きやすかった」となり、社員のモチベーションも下がるでしょう。

また導入決定後、RPA稼働が始まった後は、情報部門がRPAの管理をすると思いますが、実際にRPAを利用する社員は経理部門など、別部門の場合もあります。

この場合、RPAに対して、現場と情報部門が求めていることに相違が起こり、対立に発展するケースもあります。

現場ではRPAを簡単に最適化された状態で使いたいでしょうし、情報部門ではセキュリティや安定した稼働率などを求めるでしょう。どちらが正しいではなく、現場と情報部門双方の上手い意見のすり合わせと、それをRPAにしっかり反映する体制が必要です。

3.汎用性の高いプログラミングを行わないと問題が起こる

RPAは基本、簡単に操作できますし、担当者が自由に内容をプログラムできます。
しかし担当者だけにRPAプログラム作成を任せていると、後々、大変な事態になるケースがあります。

例えば、当初の担当者AがRPAでプログラムを作成しており、内容を誰にも共有しないでただ現場で使っているだけの状況だとします。そして担当者Aが配置換えや転職などで現場を離れたとき、新しい担当者BがRPAのプログラム作成を引き継ぎます。

しかし担当者Aは、自分にしか分からない複雑で長すぎるプログラムを書いていたので、担当者Bには内容が全く分かりません。このように属人性の高いプログラムを担当者だけが勝手に制作していると、プログラム共有などの必要が出てきた時に、大きな弊害が出てきます。

また担当者を決めておらず、社員各自が自由にRPAでプログラムを制作できる状況も好ましくありません。

各自がRPAでプログラムを安直に制作すると、誰が制作したか分からない「野良ロボット」が溢れます。
野良ロボットが増えると、誤作動を引き起こす可能性があります。しかも誰が制作したか分からないので、責任追及についても面倒な事態になります。

RPAでプログラムを作成する際は、誰か1人だけに全て管理を任せるのではなく、担当者を何人か用意した上で内部プログラムの内容を、社内全体で共有できる環境を作りましょう。

● 野良ロボットとは?
RPAはシナリオ作成を経てプログラムを作りますが、誰が作ったか解らないプログラムのことを野良ロボットと呼びます。
つまり、そのシナリオに対する管理者がいないことを意味します。もし野良ロボットによる予期せぬ誤動作が発生した場合、誰も責任を取れない危険な状態になってしまいます。

RPAを導入するときのポイントとは?

ここからは「RPAが社内で使えなかった!」と嘆くような事態にならないよう、WinActorを絡めながら、RPA導入時のポイントをご紹介していきます。

  1. 1.自社にとって最適なRPAを導入する
  2. 2.社員がRPAをしっかり使える社内環境を整える
  3. 3.戦略を決めて少しずつRPAに作業を置き換える

1.自社にとって最適なRPAを導入する

RPAはさまざまな企業が提供しており、機能はさまざまです。また実際に販売する代理店でも、提供するサービス内容が異なります。例えば、AIとの連携やセキュリティを重視した機能など、各RPAごとにいろいろな特徴があります。

WinActorは簡単にプログラムを制作できて初心者にもやさしく、セキュリティの高さなどもそつのない作りで、幅広い業種の企業におすすめできるサービスです。

ちなみに株式会社DATA KITでは、WinActorなどを含めた生産性向上サービス「ITパートナー」を提供しています。
ITパートナーではクライアント企業の課題をしっかりヒアリングし、最適な情報システム提供を行っており、導入実績は300社を超えます。さらに、自社で導入体制が整うまで、情報システム取り扱いのプロが、月次ミーティングなどでしっかりサポートしています。気になる方はぜひ、ITパートナーのサービスご紹介ページにアクセスしてみてください。

ITパートナーとは?

2.社員がRPAをしっかり使える社内環境を整える

RPAは、誰もが使いこなせるようになる利便性の高いツールですが、ITについて何も知らない人員が扱えるようになるには、少し時間がかかります。現場がRPAをしっかり操作できるように、社員への定期的な研修なども不可欠です。

特に「この操作対象に対して、このプログラムがこういう順番で処理される」という、プログラムについての構造概念は必要なので、しっかり覚えておきましょう。

WinActorは、ITに詳しい人材がほとんどいない企業でも、簡単に操作ができます。デスクトップの録画機能など、WinActorに搭載されている機能が備わっていないRPAよりも、比較的短期間で学習して、導入までこぎつけられます。

RPAやWinActorの知識がまだ浅いという方は、まずは下記のセミナーにご参加ください。
毎週木曜に開催しておりますので、関西在住の方、または関西以外のお住まいの方でも神戸にご用事がある時に、いつでもお気軽にご参加できます。

WinActor 無料セミナー

3.戦略を決めて少しずつRPAに作業を置き換える

「最初から対象作業を全てRPAに置き換えれば、作業効率化が一気に狙えるのではないか」と考える方もいるかもしれません。しかし、最初からいろいろな作業にRPAを投入するのは得策ではありません。

RPAは稼働後に、「PDCAサイクル」を回して本当に効果が出たか実証するのも重要です。

そして想定される全ての作業でRPAが劇的な作業効率化を起こすとは限らず、効果の薄いところも出てくるでしょう。

まず、効果測定しやすい作業などを洗い出してRPAを投入。

効果が出てきたら他の作業工程にもRPAを導入して効果測定を行うといった、少しずつRPAを導入しながらPDCAで効果測定を行う視点が必要です。

WinActor導入時もまずは「Word」や「Excel」など親和性の高いアプリケーションの自動化から始め、その後、他のアプリケーションの自動化も検討するような方向性だと導入が上手くいきます。

まとめ

今回はWinActorを例にとりながら、RPA導入の注意点や導入時のポイントまでご紹介してきました。

WinActorを始めとしたRPAを導入すれば、あなたの企業でも業務効率化や生産性向上が狙えます。ただしコア業務への適用は避け、社内で摩擦が出ないように導入するなど、注意点はしっかり押さえておきましょう。また導入時はRPAが使える社内環境を整えながら、少しずつ導入の割合を増やしていく視点も忘れないようにすると安心です。

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